わたしは臨床系の研究室に所属して実際に薬学研究を行っています。
薬学研究、特に臨床研究では明確なリサーチクエスチョンの設定が重要です。
今回は自身の反省も踏まえて、リサーチクエスチョンについて書いていきたいと思います。
・研究室選びに迷っている薬学生
・研究室に配属され、テーマ探し中の薬学生
今回の記事はこういった薬学生が対象です。
薬学研究とリサーチクエスチョン
研究を行うときに最も重要なことは、研究の目的を明確にすることです。
研究で「なに」を明らかにしたいかという疑問をリサーチクエスチョンと言います。
論文はリサーチクエスチョンに対して仮説を立て、仮説を検証しながら形作っていきます。
薬学研究(卒業研究)では、次の2パターンがあります。
- 教員からテーマを与えられる(基礎系の研究室に多い)
- 自分でテーマを決める(臨床系の研究室に多い)
教員からテーマを与えられる場合
なぜそのテーマを与えられたのか、一連の研究のなかで自分の担当するセクションがどういった位置づけなのかを確認しましょう。
なぜ実験を行っているのかを意識することで、卒業論文が書きやすくなります。
基礎系の研究室では、研究室ごとに取り組んでいるテーマが概ね決まっています。糖尿病の研究をしている研究室においてリウマチの研究がしたいと思っても、できることはまずありません。
自分でテーマを決める場合
臨床系の研究室の場合、学生がテーマ選びをできる場合があります。
「テーマを考えるのは大変だから、与えられた実験をするほうが楽」という意見もありますが、自分の興味のある領域を探求できるのは非常に魅力的です。
薬学研究のリサーチクエスチョンの立て方
1. まずは漠然と研究の範囲を決める
2. できるだけ具体的にテーマを絞る
3. リサーチクエスチョンを明確に
まずは研究の範囲を決めて、その範囲で何が知りたいのかを定めることで研究が始まります。
自分が興味を持っていることや、日常生活で疑問を感じていることをピックアップしましょう。
バックグラウンドも大きく関係すると思います。
- 化粧品に興味がある→添加物について研究したい
- 経済に興味がある→保険制度について研究したい
- 災害経験者→災害時医療について研究したい
リサーチクエスチョンは明確にしよう
研究テーマを最初から具体的な問題や政策だけに絞るのは難しいです。
大まかなテーマが決まったら、指導教官に相談してみましょう。
そしてリサーチクエスチョンを設定します。ポイントは3つです。
- 答えが社会の役に立つこと
- 答えがまだ出ていないこと
- 答えが出ること
リサーチクエスチョンの設定した後にすること
テーマに関する先行研究や学術的な文献・書籍等を調査することになります。
- リサーチクエスチョンをたてる
- 先行研究を調査する
- 仮説を立て、データ収集と検証をする
- 発表できるようにまとめる
まとめ
薬学研究の最初のステップでは、明確なリサーチクエスチョンを設定することが大切です。
研究の全体的な流れは、以下の記事をご参照ください。
Doing more with less!